ブックタイトルメカトロニクス10月号2020年

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概要

メカトロニクス10月号2020年

MECHATRONICS 2020.10 9-1.8~5.5V駆動で105 ℃温度保証対応のEV/HV搭載機器向けの液晶ドライバ内蔵シングルチップマイコンを開発高電圧遮へい電源システムによるEMC試験サービスを開始 セイコーエプソン(株)は、ArmCortex-M0+プロセッサを搭載した低消費電力フラッシュマイコン『S1C31W65』を開発した。 同製品は、液晶ドライバ内蔵シングルチップマイコンとして好評を得ている『S1C31Wシリーズ』で、初めてセグメント液晶ドライバに対応した汎用マイコン。最大で33MHzの高速動作と同ファミリーの中でも最大のパフォーマンスをもち、スリープモードでわずか0.3μA、動作電流130μA/MHz(VD1電圧モード:mode1の場合)と低消費電流を実現している。また、同社製マイコンの特徴である表示駆動技術を活かした最大416セグメントの液晶ドライバを搭載している。そして、液晶パネルの駆動に必要なバイアス電源を内部電源回路によって生成可能なため、電池残量に影響されない表示品質を実現できる。 OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(株)は、EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)に搭載される車載機器を対象とした高電圧遮へい電源システムによるEMC試験サービスを開始した。 環境への配慮からEV /HVなどの電動車へのシフトが進む中、電動車のコア技術であるモータ、バッテリ、インバータ、DC-DCコンバータ、コントロールユニットなどは、効率良くエネルギーを使用するために高電圧化が進んでいる。特にバッテリ電圧については、現在の400Vから800Vに引き上げる取り組みが始まっている。こうした車載機器の高電圧化に伴い、電源供給や信号通信に用いられる車載用のハーネスも従来の低電圧対応のものに加えて高電圧対応のものが使用されるようになり、高電圧側の加えて、ソフトウエアによる駆動電圧調整を有しており、LCDコントラスト調整や電圧の異なる液晶パネルに対応している。この他にも、リアルタイムクロック(RTC)、各種タイマー、R/F 変換器、A/D 変換器、温度センサなど豊富な周辺回路を搭載している。また、最大105℃の動作温度に対応し、動作電圧も1.8~5.5Vと広範囲なため、産業機器やセンシングを必要とする民生機器にも最適。 近年は、産業機器や民生機器において、システムのIoT化や高機能化が進み、消費電流を増やすことなく高性能処理を行うことが求められている。このような市場要求に対応するため、同社は強みとしている低リーク・低消費電流技術に、ArmCortex-M0+プロセッサを採用し、低消費電流と高性能化を両立した『S1C31ファミリー』の製品の拡充を進めている。ハーネスから発生する電気的ノイズ(エミッション)が低電圧側のハーネスに干渉することによって車載機器に与える影響を調べるEMC 試験の需要が増加している。 このような状況から同社では、1000Vの双方向高電圧直流電源と高電圧用疑似回路網、およびシールドボックス(外部からの電磁波の侵入や内部からの電磁波の漏洩を遮断する設備)を導入するとともに、CISPR25:2016Annex I 規格(EV/ HV 向け高電圧電源製品の評価方法を定めた国際規格)を熟知した技術者を育成し、同規格に対応した高電圧遮へい電源システムによるEMC 試験(ALSE 法による放射エミッション試験、および電圧法・電流法による伝導エミッション試験)の実施を可能とした。 同社では、2020 年8 月14日よりサービスを開始し、今年度1,000万円の売り上げを目指していく。2020.10 同社では、2020 年8 月より量産を開始し、月産20 万個を予定している。請求番号K5004請求番号K5003請求番号K0005