テクニカルレポート

2018/08/07 / テクニカルレポート

改善活動と品質活動の成り立ちと活用法①

〜心構え、マインドセット〜

(一社)実装技術信頼性審査協会、STCソルダリングテクノロジセンター  佐竹 正宏 氏

 

1.  はじめに~みる視点について

 今回から改善活動や品質活動に関する話しを進めていく。これまでに掲載してきた不定期シリーズでは、特にフロー工程を題材とし、改善する為のテクニックや事例を説明してきた。

 たしかに改善事例や品質向上のテクニックは、自社内での活動の役に立つ部分も多くあったと報告をいただき、筆者としても嬉しい限りである。

 しかし、改善活動や品質活動の「そもそも」の成り立ちや活用法を理解しないまま各活動を行う事は、間違った方向に活動が進んだり、活動の途中で目的を見失う事につがったりしてしまうため、非常に危うい行為であるといえる。

 そこで改善活動や品質活動の「そもそも」の成り立ちを理解していただくと共に、企業における改善活動や品質活動の本来の目的を再確認していただくために本シリーズを執筆することとした。

 まずはじめに、不良改善の前に必要な「基本的な心構え」について解説していく。

 筆者はいつもセミナーなどで、「入口を間違えると出口が見つからなくなる」という話をしているのだが、入口となる基本はやはり非常に重要なものである。

 たとえば部屋の電気をつけるためにはスイッチをオンにすればいい。そんなことは誰もが分かっていると思うがしかしこんな経験はないだろうか。「電気のスイッチをオンにすれば明るくなる」ことは分かっているのだが、めて訪れた部屋(友人の家やホテルなど)であるため、スイッチそのものがどこにあるのかわからない、ということである。

 このような経験は、誰もが一度は経験していると思うが、これと同じように、ノウハウやテクニックというのはつまり電気のスイッチなのである。

 


2. 視点について

 図1のように、単純に「みる」といっても、様々な「みる」が存在するが、これは「みる」姿勢によって該当する漢字(感じ)が変わるからである。このことは、漢字を使用する日本や中国などの国だけの話ではなく、世界のあらゆる言語において「みる」という単語は多数存在するのである。

 鑑定士という仕事は古びた壺や絵画などの真贋を見きわめ、そのものの価値を判定する人及び仕事である。私たちのように古き良きものに対して真贋を見きわめることができるような鑑定眼をもっていない人間の場合は、その壺や絵画が「本当に良いものか悪いものか?」はわからない。

 なぜ分からないのかというと、それら対象物を判断する「見方」を知らないからである。

 実ははんだ付け結果も同じである。私は不良改善などのご依頼でよく工場に行くが、その会社のかたがたが何週間もかかって改善できなかった不良を、早い場合は15〜30分あれば改善することができてしまう。これは何も自慢をしているわけではない。なぜその会社のエンジニアのかたがたにできなくて、私にはできるのかというと…「はんだ接合部の見方を知っている」。ただそれだけなのである。

 

見る

 どういう状況か「判断する」という見方である。その状態の把握ということになる。つまり、形はどうであるか? 色はどうであるか?というような、不良がまず不良であることを認識するということである。

 

視る

 先に説明した①の見るとほとんど同じであるが、こちらの「みる」はより注意深く視るという姿勢になる。上記の①が裸眼で見ていたとすれば、拡大鏡やマイクロスコープを使用してみるような感じである。

 電子部品であれば、端子や電極の状態など、フィレットの形状やはんだ表面の光沢など、先程の見方よりもより詳細な見方をする。

 

観る

 この「みる」は逆に、俯瞰してみるような感じである。②がミクロに視ているということになるとすれば、こちらはマクロに観るということである。

 不良の対象は、基板全体のどの位置にあるのか?基板全体としての反り方はどうであるか? 本日の設備の状態は何か問題があるか? 本日の作業者の状態はいつもと同じであるか?など、不良が発生している基板そのものよりも、さらに大きく「みる」範囲を広げて判断する。

 

診る

 この「みる」は、ある程度の予想を立てて判断するという姿勢になる。論理的に判断する見方といってもいいかもしれない。

 その部位で、そのような不良が起こる、ということを論理立ててみるということになる。AであるからBになり、Cが生じて不良になった。このように頭の中で不良の経緯をストーリー立てて判断しながら、みるということである。

 

看る

 この「みる」は、気を配って判断するという姿勢になる。上記④の見方は、あくまでその不良に対して論理的に判断した見方である。

 これに加えて「そうであるとするならば、背反してあの部位には次のような現象が起こるはずだ」というように、不良部位だけの事ではなく、他の部位に生じる現象も含めて看ていくという姿勢・判断の仕方になる。

 不良を改善していくためには、このように多くの「みる」という姿勢の、使い方が存在する。これらを、それぞれの場面において、正しく選択できることが不良改善には必要なことになる。

 このような基本姿勢がないままで、「いきなり不良部位を観察」し、「詳細に情報を集め」、「対策を打とう」としても、うまくいかないのはあたりまえなのである。

 「とりあえず不良が出たから対策する」というのは、ゴルフでいえば「とりあえず球があるから打つ」といっているのと同じである。このような練習の仕方では、ゴルフがうまくなるはずもない。

 あたりまえであるが重要なので、しっかりと覚えておいていただきたいと思う。

 

図1 視点について

会社名:(一社)実装技術信頼性審査協会、STCソルダリングテクノロジセンター
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