ブックタイトルメカトロニクス9月号2018年

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概要

メカトロニクス9月号2018年

MECHATRONICS 2018.9 11所在地:U R L:事業内容:さいたま市浦和区http://www.sanwa-ent.co.jp産業用配管部品、工業用エアー機器、チューブ・アセンブラー、PEEKスプリングの製造/販売、および輸入/販売、など。サンワ・エンタープライズ株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2009年には、本社を現在のさいたま市浦和区に移転しています。さらに今年の4月には、当社が取り扱っている産業用配管部品のラインアップをより多くの方々に知って頂くため、東京都江東区青海に「お台場 サテライト・ショールーム」を開設し、約2500の製品を展示しています。 「お台場 サテライト・ショールーム」につ いて、開設された経緯などお聞かせくだ さい山田 : 当社の販売戦略の1つとして、15年程前から展示会に出展するようになり、最近では年に4、5回の出展を行っています。ただ、この数年、展示会が終わった後の営業活動について、こちらが思っているほど販売効果が上がっているのかということが、常々疑問となっていました。 特に当社の取り扱っている配管部品は、小さく細かいものが多いため、展示会に来場された方々には実際に見て触って頂きたいというコンセプトでの展示を従来行ってきました。ただ、来場される方々にしてみれば、立ち寄る先は当社だけでなく数多くの企業のブースとなります。仮に、当社のブースに興味があって来場されたお客様であっても、概ね5~10分程度の滞在時間しか掛けられないのが実情ではないでしょうか。また、ブース自体ある程度限られたスペースであるため、展示する製品も厳選せざるを得ません。しかも、商談は基本、立ち話といった状況になります。そのような中で、お客様が当社の展示内容に満足して頂き、取り扱っている製品を把握して頂けたのかということが、非常に気になっていました。 また、展示会の後には直ちに当社の営業が名刺交換をさせて頂いたお客様とコンタクトを取りますが、さほど時間が経過していないにもかかわらず展示会の時とでは温度差を感じるケースが多いようです。当社の場合は、商品単価が低く、補助部品的な色彩が強いので、お客様の目にはテーマとして先送りされがちな製品に映っているのではないかと案じていました。 そんな中、ならばいっそのこと当社の配管部品が何時でも見れる展示スペースを設けてしまえばよいのではと考えるようになりました。 実際に物件を探し始めたのは、4、5年前です。始めはアクセスの良い東京駅周辺の八重洲や、以前当社の事務所があった日本橋を中心に物件を探していました。しかし、なかなか条件に合う物件が見つからず、候補先をお台場周辺にシフトしたのは昨年暮れの話です。お台場という土地柄、東京ビッグサイトでの展示会に来場された方々も、ついでに立ち寄りやすいということがお台場に的を絞った要因の1つです。結果、理想的な物件が見つかったことで急ピッチにことが進み、今年の4月にオープンしました。 ショールームの展示内容や主力製品の 特徴などについてお聞かせください山田 : このショールームは、お客様が当社の配管部品を検討される際に、「座って」、「見て」、「触って」、「比べて」、「確かめて」を体感して頂けるようなコンセプトで設計しています(写真1)。また、見た目には数百点の展示になっていますが、展示台の下の引き出しには形状/材質/サイズ違いなどの製品を収納しました。引き出しには番号ラベルが貼られ、どの引き出しに何の製品が収納されているかをすべて管理することで(写真2)、お客様が求める製品を直ちにご提案できるようになっています。さらには、このショールームに約2500点におよぶ製品を集めることで、カタログなどでは実感できない、製品を選定する際の「選ぶ楽しさ」を実感して頂こうと考えました。 ショールーム内の展示台レイアウトとしては、お客様がカップリング→継手→バルブといった順序で見て回りやすいよう、系統立てた配置を行っています。また、ショールーム内の1つの目玉として特別展示スペースを設け、期間限定で集中展示なども行っています(写真3)。この特別展示の情報は、当社のメルマガなどで発信しており、これを目当てに足を運ばれるお客様も増えています。 常時2名の社員が常駐しており、商談できるスペースも3個所用意していますが、お客様にはゆっくりとご覧になって頂くため事前の予約をお願いしています。最近では、1週間あたり5~10社程のお客様にお越し頂けるようになり、平均で1~2時間程度滞在されています。 このショールームに展示している製品の中で、自社開発品として力を入れている新製品が、軟質チューブのアセンブリ作業治具『チューブ・アセンブラー』です(写真4)。この製品は、従来手作業に頼っていた柔らかく細いチューブのアセンブリ作業を簡単/確実に行うための製品です。セットしてからアセンブリ完了までにかかる時間は数秒で、作業者の疲労を軽減し、作業環境の改善や生産効率の向上に貢献します。 この他にも、当社の柱となっている産業用配管部品と工業用エアー機器の新製品なども展示していますので、是非ご覧になって頂きたいと思っています。 今後の展開についてお聞かせください山田 : まずは、この「お台場 サテライト・ショールーム」を軌道に乗せていきたいと考えています。時間は少し掛かりますが、同業他社では見られない手法だと思うので、何とか結果を出せるよう楽しみながら取り組んでいくつもりです。 お台場が軌道に乗ったあとには、西日本地区にも同じようなショールームを設置したいと考えています。この「お台場 サテライト・ショールーム」開設に先駆けて当社のメルマガでアンケートを実施した際、「あれば行ってみたい」という回答を高い割合で頂きました。このアンケート結果は、我々の試みを後押ししてくれましたが、そのほとんどは関東地区のお客様でした。 そのため、関東地区というか東日本だけでなく、西日本にもこのようなショールームがあれば、さらに多くのお客様に満足して頂けるのではないかと思っています。場所としては、当社と接点のある企業が点在する京都または大阪が候補先です。 今後の事業展開としては、ショールームだけでなく、新たな発想による新製品の開発にも力を入れていきたいと考えています。さらには農業や趣味性の高い玩具といった異分野にもチャレンジしていくつもりです。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真3 ショールーム内の目玉となる特別展示スペース 写真4 『チューブ・アセンブラー』の展示内容写真2 展示台下の引き出しと収納されている製品ラインアップ